(たがね)

鏨は、彫金において重要な道具で、その主な用途は金属を彫り切削し、形作ることです。金属の表面に刻みを入れたり、形を作ったりする際に使用されます。細かな模様や文様、意匠を鏨を用いて作り出し、作品の表面を装飾します。

鏨の種類にはいくつかのタイプがあります。例えば、刃が直線状になったものや、V字型のもの、曲線を描くためのものなどがあります。これらの鏨は、彫金の技法に応じて使い分けられます。鏨は鉄や鋼などの硬い金属で作られ、その先端には切れ味を持たせるために研磨された刃が作られています。

 

形状による分類:

  • 直線刃の鏨: 主に直線的な模様や紋様を彫るのに使われる鏨。縦横に模様を刻む際に使用されます。
  • V字刃の鏨: V字形の刃を持ち、深い溝や細かいディテールを作る際に使用されます。鋭いV字の刃は細かい線を作り出すのに適しています。
  • 曲線鏨: 曲線や円弧を描く際に使用され、線の滑らかな曲がりを作り出します。これによって花や葉のようなデザインを彫ることができます。

機能による分類:

  • 細密鏨: 細かな彫刻やディテールを作るのに適した鏨。細かい模様や文字を彫る際に使用されます。
  • 深彫り鏨: 深い溝や彫り込みを作るのに適した鏨。立体的な彫刻や立ち上がりのある模様を作るのに使われます。
  • 波彫り鏨: 表面に波模様や特定の質感を作り出すのに使われます。鏨の刃が波形を持ち、特定の模様を彫り出すのに適しています。