金鎚

(かなづち)

金鎚は主に鉄で出来た金属工芸において制作物の成形用いる重要な道具です。

締め鎚:

絞りの作業に使用され、15~24mmほどのサイズで鏡面になったものが一般的です。絞り時にできるアゴの傷を防ぐために、アゴ部分が鈍く丸められています。作業の手順としては、締め鎚で形を作った後に、均し鎚で仕上げを行います。

均し鎚:

形態が完成した後の仕上げ打ちに使用されます。鏡部分を砥石で磨いたものや、模様をつけるための荒鎚などがあり、仕上げに合わせて選びます。

福鎚:

小さいものは豆鎚とも呼ばれ、彫金の作業に頻繁に使われます。7~8分のサイズのものは均し鎚としても使用され、オフク、オタフクと呼ばれます。

延べ鎚:

金属塊を板状に伸ばし平たく均す作業に使われます。大型で重いもので、中には両手で振り下ろす大型のものも存在します。

<参考>

  1. 香取正彦 井尾敏雄 井伏圭介『金工の伝統技法』理工学社、1986年
  2. 日本金工作家協会編集委員会『彫金・鍛金の技法Ⅱ』日本金工作家協会、1970年