(きん

(化学元素:Au)は、金属工芸においては特別な金属です。

性質:

  • 色は山吹(やまぶき)色で、空気や水の影響を受けにくく、腐食しない性質を持ちます。
  • 融点は摂氏1,063度であり、高温であるが酸化しにくいため、金の精錬や塊の製造が比較的容易です。
  • 非常に延性が高く、金箔や長い金糸を作成することができます。
  • 電気と熱を伝導する性質があり、に次いで良い電導率を持っています。
  • 比重が高く、天然金は地殻の一部に集まり、金鉱床が形成されます。

 

利用方法:

  • 金は古代から希少で重要な金属で、それのもつ価値が宗教的象徴や権力の象徴とされました。
  • 金の利用は宗教的儀式、権威の象徴、装飾品、貨幣、食品への添加、芸術作品など多岐にわたります。
  • 金箔は食品、薬品、絵画、蒔絵など多くの分野で使用されています。金箔入りの食品や飲料は趣向の一つとして人気があります。
  • 金は化学的に非常に安定しており、その性質が近代科学の発展に寄与し、錬金術の研究から多くの他の金属や合金の発見へとつながりました。
  • 金は合金としても使用され、一般的な合金は18金で、純度は75%です。金の純度は通常、カラット(K)として表現され、純金(100%)を24Kとします。

 

金はその美しい色調や特性から、装飾品や芸術作品から工業用途まで多岐にわたる分野で使用されており、その希少性と特性が人類の文化や科学に重要な影響を与えています。

<参考>

  1. 會田富康『鋳金・彫金・鍛金』理工学者、1975年
  2. 香取正彦 井尾敏雄 井伏圭介『金工の伝統技法』理工学社、1986年
  3. 村上隆『日本の美術 第443号 金工技術』至文堂、2003年
  4. 増本健『金属なんでも小事典』(P140、P141)株式会社講談社、1997年
  5. 長谷川栄『日本の美術 第111号 夏雄と勝珉』(P99)至文堂、1975年

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