朧銀・四分一

(ろうぎん、しぶいち)

朧銀はの合金であり、一般的には銀1に対して銅3の割合で作られる。また、銅に銀を四分の一含む合金であり、銅75に対して銀25で銀の合金量が1/4であることから四分一(しぶいち)とも呼ばれる。この他にも、銀50、銅1000、亜鉛22、錫80といった異なる割合のものも存在する。

彫刻像や花瓶、文具、装身具などの作品に用いられ、肌を美しく仕上げるのに適している。江戸時代から使用され、現代でも茶器や装身具の製作に広く用いられる。様々な種類があり、例えば白四分一は銀濃度が高く銀灰色に、並四分一は銀濃度が低く褐銅色に仕上がる。また、少量のを混ぜることで黒四分一が得られ、色のバリエーションを調整できる。さらに、一般的な四分一や黒四分一の他にも、白四分一や並四分一などの種類があり、合金の配合比によって色彩を調整することができる。

<参考>

  1. 會田富康『鋳金・彫金・鍛金』理工学者、1975年
  2. 香取正彦 井尾敏雄 井伏圭介『金工の伝統技法』理工学社、1986年
  3. 大滝幹夫『日本の美術 第305号 金工-伝統工芸』至文堂、1991年
  4. 村上隆『日本の美術 第443号 金工技術』至文堂、2003年
  5. 長谷川栄『日本の美術 第111号 夏雄と勝珉』(P99)至文堂、1975年
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