唐金
(からかね)
唐銅は銅を主成分とし、少量の錫や鉛を含む合金の一種で、現代では青銅のことを指します。日本では古くから茶道具や仏具、金属工芸品などに広く使われてきました。その特徴は、独特の暗い褐色や深い緑色の光沢を持ち、時とともに美しい「緑青(ろくしょう)」と呼ばれる緑色の錆が表面に生じることです。この変化が風格を増し、長い年月を経た趣を楽しむため、茶道の世界で特に重宝されています。
「唐銅」という名称は、中国(唐)の文化に影響を受けたことから名づけられたとされていますが、実際には日本独自の製法や技術で発展しました。錫の含有量を調整することで色合いや質感が変わり、その結果、装飾品や器具としての価値が高まりました。錆びにくく耐久性があることから、現代でも伝統工芸品として用いられています。唐銅の魅力は、その色合いや経年変化にあり、美術品や茶道具として今も愛されています。