(すず)

錫は銀白色の金属で、軟らかく加工しやすい特性を持っています。その融点は約232°Cと低く、加工や鋳造が容易で、空気中で変色しない美しい金属光沢が特徴です。古くから食器や装飾品、美術工芸品に利用されてきました。

錫は青銅の重要な合金成分として知られ、古代には青銅器の一部として、また単体で装身具に使用されました。中世以降は箱物の口金や接合材としても広く用いられ、近世には「錫師」と呼ばれる専門職人が徳利や茶壺などの製品を作るようになりました。錫は錫石(SnO₂)から炭素などで還元し、電気分解によって高純度化されます。

<参考>

  1. 香取正彦 井尾敏雄 井伏圭介『金工の伝統技法』理工学社、1986年
  2. 村上隆『日本の美術 第443号 金工技術』至文堂、2003年
  3. 鹿取一男『美術鋳物の手法』アグネ技術センター、1983年
  4. 遠藤元男『日本職人史の研究Ⅴ 建築・金工職人史話』(P326)雄山閣出版株式会社、1985年
  5. 増本健『金属なんでも小事典』(P155)株式会社講談社、1997年

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