箆絞り

(へらしぼり)

箆絞りとは、型と金属板とを高速回転して、箆(ヘラ)を用い、金属板をしごきながら型に密着させて成形するものである。機械は旋盤によく似ており、多く普通旋盤を改良して、スピニングレースと呼んでいる。よって成果物は回転体に限られるこの加工法は、明治40年頃より洗面器の生産に用いられ始め、昭和8年以降から、深い容器類の生産が可能となった。この進化は機械の性能が高度になったというより、人間の知性と技術、工夫によるものである。金属工芸分野においては、花器や茶器など生活工芸品に応用された。

<参考>

  1. 日本金工作家協会編集委員会『彫金・鍛金の技法1』日本金工作家協会、1968年
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