丸毛彫り

(まるけぼり)

丸毛彫りは日本の金属工芸における一種の彫刻技法で、毛彫りとは異なる独自の魅力を持っています。この技法は、シャープな味わいを求めるのではなく、逆に淡く柔らかい彫刻効果を生み出すものです。一見一本調子のように見えますが、デザインによっては毛彫りと同様に、彫刻の個性をしっかりと表現できます。

特に彫金を志す初心者にとって、毛彫りよりも丸毛彫りの練習がおすすめされます。最初は細い刃先から始めて、少しずつ幅の広い線を彫れる(たがね)を試してみることから始めましょう。丸毛彫りの鏨を使って同じ幅の線を彫るのは難しいかもしれませんが、一方で自由な表現に向いています。この技法を使うことで、個性的で魅力的な彫刻作品が創造できます。

<参考>

  1. 長野裕 井尾建二『金工の着色技法』理工学社、1998年
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