高肉彫

(たかにくぼり)

高肉彫は日本の金属工芸における立体的な装飾技法の一つです。金工品を最も立体的に加飾する手法で、肉取りの深い彫刻技法として知られています。一方、肉取りの浅いものは薄肉彫と呼ばれ、主に装身具などの金物製作に使用されてきました。

高肉彫の工程では、特に色彩的な効果を強調するためにしばしば象嵌と組み合わせて使用されます。この技法は金属の表面を浮き彫りすることによって、立体的で美しい意匠を実現します。高肉彫は、金属工芸における装飾技法の中で最も立体的でかつ洗練された技法と言えるでしょう。

他の立体的な彫金法には、金属の素地を彫り崩す「丸彫」法、「地彫」法、出しや脂(やに)台、などを使用して金属板を打ち出し、細部を彫り刻む方法などがあります。これらの技法も独自の美しさと立体性をもたらすために使用されています。

<参考>

  1. 大滝幹夫『日本の美術 第305号 金工-伝統工芸』至文堂、1991年
ホーム > 技法 > 彫金 > 高肉彫