日本金工事典について

このたび、金工に関する広範な知識や用語を網羅したウェブサイト「日本金工事典」を開設いたしました。本サイトは、金属工芸を志す方にとって、本当に役立つ専門事典をご提供すべく企画・編集しております。

いざ金属工芸を始めようとすると、まず直面するのが、揃えるべき道具や知っておくべき基礎知識を得るための書籍が非常に少ないという問題です。過去に多くの専門書籍が出版されましたが、多くはすでに絶版で入手困難となっています(2023年現在)。また金属工芸の専門課程を設けた大学はあるものの、在学中は実技に軸足を置いたカリキュラムがメインとなるため、限られた時間で幅広い知識を得ることは困難と言えるでしょう。

一方で、先人たちによって伝え親しまれてきた伝統的な金工技法や名称が、一部の企業によって実用新案・意匠・商標登録され、独占的に占有されるという事態が増えています。誤った行為ではあるものの、異議申し立てのコストや労力から、多くの場合は放置されているのが実情です。不当な申請に先駆け、伝統技法がすでに広く知れられたものであることを公表する必要に迫られています。

以上のような諸問題に危機感を覚えていた中、サイト開設に踏み切るきっかけとなったのは、一部の著名な金工家故人による書籍が、著作権保護期間が終了を迎えていることにあります。近代日本金属工芸において、数多くの金工家が研究者として史書や技術書を遺していますが、それらほとんどが絶版再販予定無しのまま消えゆく運命にあります。彼らによって遺された多くの知的財産や伝統技法を、デジタルオープンソースとして残し広く伝える必要性を痛感いたしました。

趣旨にご賛同くださる皆さまは、共同編集者としてご参加の上、忌憚ないご意見をいただけますと幸いです。ぜひ、ウェブ事典の内容拡充にお力添えください。

 

なお本事典は、以下のような内容で構成されております。

  1. 引用元
    過去に出版された書籍からの引用、著作権法上許された転載に限ります。情報の信ぴょう性が高いソースを引用元とします。
  2. 掲載分野
    可能な限り広範な分野の用語・知識を網羅。金工を志す方にとって役立つ、幅広い内容を掲載するウェブ事典です。順次拡充してまいります。
  3. 共同編集
    共同編集者を募集。たくさんの方にお手伝いいただき、より多くの書籍から編さんすることを目的としています。
  4. 原稿執筆
    事典作成にあたり寄稿いただいた原稿はなるべくそのままに、既知の技術情報などは参考文献を元にして、人工知能によりライティングしています。

 

引用からオリジナルの書籍に興味を持たれた場合は、ぜひ入手して、さらに知識を深めていただけますと幸いです。当サイトを通して、日本の金属工芸のさらなる発展に貢献でることを願っております。

日本金工事典 編集責任者 山中 源兵衛


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